英語の勉強している。

塾の中学準備講座の一コマ。

受験のプレッシャーから解放された
彼らの姿を見ると心がほっこりする。

もちろん
全員の顔がそこにあるわけではない。

受験に失敗した生徒の参加率は低い。

語も分からない・・・

僕もそんな生徒も一人だった。

なぜか
中学準備講座に参加していた。

まだ
あの緊張感が続いていた・・・

英語がさっぱり分からない。

Yes,it is.  No,it is not.

これすら覚束ない・・・

Noの後には何が来るんだっけ。

「No,it is.」そう答えてしまう。

野球のレフトとライトの
違いくらい簡単なはずなのに・・・

緊張すると混乱してしまうのだ。

新任先生の

クラス分け資料のために
中学の入学式前に行われたテスト。

中学受験経験者の
僕にとっては簡単なものだった。


でもクラス2位だった・・・

担任は新人の先生。

彼が最初にかけてくれた言葉が

「君はクラス2位の成績だった。

事あるごとに言ってくれた。

家庭訪問の際、母の前でも。

先生は小学生だった頃の僕が
悪ガキだったことを知らなかったのかな?


でも嬉しかった。

めちゃくちゃ嬉しかった。

初めて親以外の人に
期待された気がしたのだった。

代表委員会に選出された。

成績だけではなく
振る舞いも優等生に僕はなったのだ!

あの塾講師との

初め違和感しかなかった
教室も、やがて日常の風景になる。

小学生の時に思い描いていた
中学生活ではなかったけど楽しかった。


友達とじゃれ合いながら
帰っていた、ある日のこと。

横断歩道をそばに
白衣を着た先生が立っていた。

(P先生だ・・・)

中学受験勉強していた時
教えてもらっていた塾講師だった。

彼は僕を認識すると

そう声をかけてきた。

僕は無愛想に「はい」と答える。


からかわれた?

バカにされた?

      
   ・・・そう思ってしまった。

公立中に通っている姿を
見られたのが恥ずかしくもあった。

彼の立場に
なってかったこと

僕は塾講師になった。

今でもその光景を思い出す。

P先生は
躊躇いながらそう言った気がする。

あの時
僕に声をかける必要はなかったはずだ。


いや
声をかけずにはいられなかったのだ!

そう思う。

自分のせいで受験を失敗させてしまった。

申し訳ない気持ちを引きずっていたと思う。

勉強しなかった僕が悪いのに・・・


僕が公立中で元気にやっているのか?

めちゃくちゃ
気になっていたのではないだろうか。

もちろん
彼の真意は分かるべくもない。

これは僕にとって
都合の良い解釈かもしない。

ただ
受験シーズンが終わるたび
P先生のあの言葉がよみがえるのだ。

作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R

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