僕は父親になりたくない!

自信がない・・・
幼き日の感動
幼稚園の頃。
父の仕事が何であるか?
初めて母に聞いた。
その時の高揚を
今でも鮮明に覚えている。
あんなに父の事を
誇らしく感じたことはない。
空を見上げる

お父さんは
あそこで仕事をしているんだ。
僕はその感動を
自分の息子に与えられるのか?
時々
そう問いかけていた・・・
年齢を重ねるにつれ
こういう思いが強くなっていく
ダメだ・・・
僕は
オヤジを超えられない・・・
友達に
父の仕事の話をする。
すげえ~~~
ホントに
その仕事をしている人
初めて知ったよ!
なんだか
自分が偉くなったように錯覚する。
でも知っていた。
すごいのは僕じゃない・・・
父なんだ!
だから
父が憎かった!!!
あなたは
僕の父親なんですか?
だって全く
あなたの能力を引き継いでないもん!
なんで
あなたの子として
生まれてしまったのか!
自分の運命を呪った・・・
母に似た?
だったら
僕はもっと運動神経が良いはずだよ!
弟たちはトップ校に進学!
部活でも県大会に出場しているよ。
なぜ
僕だけ何にもないの?
どうしようもない怒りに
時々、震えた。
うちは貧乏ですよ!
母が常々言っていた。
家を建てた時の
借金がたんさんあるんですよ!
そうなのか!
うちには借金があるんだ。

子どもだった
僕にとって借金という言葉は
とてつもない破壊力を持っていた!
バカな僕は
家を建てる時に借金するのが
当たり前なんて知らなった!
クラスによくいる
パパは社長なんだぜ!
と自慢する友達が羨ましかった。
僕は
母にいい意味でダマされていた。
今になって思えば
多分その友達の家より
うちの方が金持ちだったはずなのだ!
そして
見事にダマされたと言えば
父にもダマされた!
な、なぐったねえ
オヤジにはよく殴られた!
殴らないから、こっちに来い!
それを信じてのこのこと行く。

サプライズ・ビンタ!!!
まあ
殴られるようなことを
したから仕方がないのだけど。
オヤジの教え

小学生の時。
なぜか
父は僕に『論語』を読ませた。
彼なりの解釈を僕に教える。
バカな僕が分かる訳がない!
巧言令色鮮し仁
なぜか
これだけはずっと印象に残っている。
『古事記』も読まされた・・・
なんか
おばけがいっぱい出てくる!
それくらいしか感じなかった・・・
彼なりに僕を
一生懸命育てようとしたのだろう。
僕は長男だったから。
英語をちゃんと勉強しろ!
株はやるな!
思い出したように
うるさいアドバイスをしてきた。
僕が聞く耳をもつ訳がない!
オヤジは
幼い頃の夢を叶えた。
一度は望まない職に就いた父。
でも
無謀な強引な再チャレンジをして
見事に夢を叶えた・・・
実家に帰る。
最後の業務を終え
花束をもらう父の姿が写っている。

何かやり遂げた
満足そうな表情をしている
あなたが羨ましい・・・
大袈裟なセレモニーを断った父。
それもあなたらしい・・・
僕はあなたのようになれるのか?
あなたは僕に言ったんだ!
男には勝負を
かけなければならない時がくる!
でも
そんなの来なかったよ・・・
ずっとそう思っていた。
なあ
オヤジよ・・・今がその時なのか!

作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R
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