塾講師を大きく
成長させるものとは?

それは

生徒からの
合格の報告

逆説的な
言い方になってしまうけど

塾講師は
生徒を落としてしまうことで
成長するんです。

成功は驕りにつながる。

保護者からさんざん罵られ
自分の犯してしまった罪の
大きさををひしひしと感じる。

あの時
ああすればよかった・・・
こうすればよかった・・・

煩悶し続ける。

二度とこんな経験をしたくない
その想いが塾講師を成長させる。


合格発表の修羅場を経験せずに

一丁前のことを言う
学生アルバイトが増えたような気がする。


大学入試で
成功した自分の経験が
このアルバイトでも大きな力を
発揮すると錯覚してしまうのだ。


全然違うんだよ。

自分の受験と他人の受験はね。     

生徒を
落としてしまったアル

僕のいた塾(教室)では
新人の先生に合格発表の電話は
とらせなかった。

まずは
先輩たちがどういう
対応しているのかを見学するのだ。


生徒が合格していた場合
新人の先生に電話をつなぐ。

経験の浅い先生に
不合格者対応は任せられない。

でも、いたんだ。
自信マンマンの学生君が。

「Cさんから発表連絡が来たら
 俺が最初に受けてもいいですか?」

と言ってきた。

塾により
またその教室によっても
ルールが違うんだけど。

結果連絡の
電話をとっても
担当者ではない場合
結果を聞いてはいけない。

というルールがあった。

だから

「待って、待って!
 ○○先生に代わるから」


生徒の報告を
一旦ストップさせることがある。

ほぼ合格が
確実視されていたCさん。

でも
万が一ということがある。

「本当にできるの?
 もし落ちていたらどうするの?」


「大丈夫っすよ。
 俺、慰めるの得意ですから!」


(なんだよ・・・
     その根拠のない自信は)

「じゃあ、やってみれば」

学生君のCさんに対する
思い入れを知っていた。

僕も多分
落ちることはないだろうと
判断してしまった。

だから
任せてしまったのだ・・・


Cさんの結果連絡の電話に

例の学生君が出る。

「どうだった???」

「そうか、ダメだったか・・・」

予想しなかった結果に
彼は固まってしまった・・・

次の言葉が全然出てこない。


僕も思い出す。
初めて不合格を報告する
電話を受け取った時のことを。

慰めなくてはいけないのに・・・

何と声を掛けていいか全く分からない。

落ちた生徒を先輩方が
励ますシーンを何度も見てきた。

僕も頭の中では
何度も生徒を慰める
シミュレーションしてきた。


でも、その中での

「落ちました・・・」

という言葉は想像上の産物でしかなかった。

記号に過ぎなかったのだ。


感情というリアルが加わった

「落ちました・・・」

僕が用意していた全ての言葉を
一瞬で吹き飛ばしてしまった・・・

一刻早く電話を
切りたいという情動に駆られた。

その時
言ったことを
今でも覚えている。

「明日もテストあるんだから
 切り替えて頑張っていこう・・・」


電話を切った後、上司に言われた。

「お前なあ
 彼女はこの学校に合格するために
 何年も必死で努力してきたんだよ!



じゃあ
なんて言えば良かったんですか・・・

そんな言葉を飲み込んだ。

彼はこうして
の一歩を踏み出した

学生君もようやく声を絞り出していった。

「じゃあ、〇〇先生に代わるね・・・」


顔面蒼白な

僕にそう言うと
給湯室に駆け込んだ。

学生君、分かっただろ。

これが
生徒を落とすということなんだよ・・・

作:帰ってきた兼好法師 
Twitter:@Kenkohoshi_R

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未だにその言葉を忘れることができない・・・だから塾講師を恨んでいた。でも皮肉なことに僕は塾講師になってしまった。そこで気づいたこととは?

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