頭の中から『上昇志向』が
いつまにかなくなっていた・・・

夢があった。

けれども

ただ思うばかりで
追うことをしかなかった・・・

時々は思い出すが
忘れている時間が長くなっていく。

もう自分に期待するのはやめよう。

いつまにか『現状維持
それが頭の中を支配するようになった。


転職し
ジェット気流に乗った婚約者は
不甲斐ない僕の姿に失望したのだ。  

しい上司

新規オープンする
支店(塾の)に僕は異動になった。

ウワサの上司Rが待っていた。

僕よりも年下の・・・

イケイケ系の正直苦手なタイプ。

でも結果を出す男だった。

彼は期待されて
ここのリーダーに指名された。

強力なリーダーシップで
部下をグイグイ引っ張っていく。

時にはパワハラと
言われても仕方のない行動もとる。

そんな評価を僕はしていた。

だから
彼のもとで働くのは嫌だった。  

面談室で
彼の意な姿を見る

ある日のこと。

「お話があります!」

と僕はRを面談室に呼んだ。

大した話を
するわけではなかった。

彼女と別れ
同棲を解消する旨を
報告するためだけだった。

僕が
まだ何も話していないのに
彼の様子がおかしい。

(目が泳いでいる・・・)

(はは~~ん
 この人、ビビっているな!)

僕は
法律論で盾突くタイプ。
面倒くさい社員。

僕に気をつけろ!と彼は
会社から釘を刺されていたのだろう。

だから
面談室に呼び出され
どんなことで責められるのか
身構えてしまったのだ。

これで
僕は彼を「扱い易し」と判断した。 

きを失った上司

部下に遠慮しながら
仕事をしても結果が出るわけがない。

ある程度
プレッシャーを与えないと
部下は動かない生き物なんです。

部下にとって
居心地の良い上司はダメなんです。

そんな
ゆる~い上司に僕は甘えてしまい

彼本来の力を
出せる環境を作れなかった。

だから
僕にも大きな責任がある・・・


全然
お客(生徒)が増えなかった。

会社からの
Rへの風当たりは強くなっていく。  

天地へ旅立つ!

彼が会社を辞めるみたいだ!

そんな情報を僕は掴んだ。

まだ年度の途中なのに・・・
驚きのニュースだった。

でも
本人から聞いたわけではないから
にわかに信じるわけにはいかない。


確かに言われてみれば

Rの
仕事に対するモチベーションが
低下しているのは明らかだった。


そして
決定的だったのは
彼の僕への業務指示の内容だった。

(そんなの絶対無理・・・)

笑える程の無茶ぶりだった。

僕はそれが顔に出るタイブ。

すると

Rは激しく僕を怒鳴った!
こんなの初めてだ。

(出たな! パワハラ!!!
 この人辞めるな・・・決定!!!)

会社を去るのなら
もう遠慮する必要はないんだからね。
  

Rは『上昇志向』の塊だった。

まだ人生を諦めていなかった。

だから
ここでの出世を諦め
新天地を求め旅立ったのだ! 

本社から僕に令が!

Rの最終勤務日。

本社から
僕へ一本の電話がきた!  

(そんな
 バカなことを彼がするわけない!)
 
と思いながらも

廊下から
Rが授業をしている扉の窓を覗く。

もちろん
彼は最後の挨拶はしたが
不満は一切言わなかった。
  

年度の途中で
校舎責任者が退職する異常事態が発生。

その対応としては
3パターンが考えられた。

①校舎No.2主任職の僕が支店長になる。
②他の校舎の管理職経験者を異動させる。
③責任者不在まま運営する。

顧客の動揺を最小限にするのは
この校舎にずっといる僕がなるのが
ベターであるのは明白だった。

しかし
大きな問題があった。

僕はやりたくなかった。

だって頭の中は
すでに『現状維持』に支配されていた。 

社のズルい手法

Rの退社が公になる前に
会社の幹部から僕に電話があった。

有名ホテルで
行なわれる社員全員が集まる研修。

その後で
社長が僕に話があるという。

内容は
新規プロジェクトについて

僕はすでに
彼が退職することを確信していた。

だから
この新規プロジェクトは
僕が校舎のリーダーになる
ということだと理解できたのだ。

(ふざけるなよ!
 何が「新規プロジェクト」だよ・・・
         笑わせるな!!!)

心の中で激しく憤る!

(なぜ、はっきり言わないのか!!)

突然
社長から責任者になれ!
言われれば断れないだろうという
浅はかな考えが許せなかった。


僕は態度を決めかねていた。

だから
即答だけはしないと決めた。

でも
これは業務命令だよな。
さてどうしたものか・・・ 

社長との決!!!

一度も
入ったことのない場所に通される。

やがて
社長と幹部が入ってきた。

幹部が切り出す。

「R君が
 新しい挑戦をしたいということで
 会社を辞めることになった。
 我々としても彼を応援したいと思う!」


(は?  ・・・応援????
 よくもまあ心にもないことを・・・)

その後幹部は
しきりに僕のことを持ち上げ
責任者になってくれ!と懇願した。


そして
最後に社長が一言。

「ご期待して下さることは
 大変有難いことですが・・・
 
 実は僕も会社を
 辞めようか迷っていまして」
 

「え? 辞める!!!」

幹部が狼狽えているのが分かる。

そりゃそうだろ
時を同じくして校舎のNo.1 No.2が
退職すれば顧客の信頼は著しく失墜する。

「少しお時間を頂けませんか?」

「もろちん
 君にまで辞められたら困るからね・・・」


「どれくらい待って頂けますか?」

「一週間でどうだろう?」

結論は先送りになった。  

僕、校舎任者になる!

僕が責任者になれば
全てが丸く収まる・・・

そんな考えに傾きつつあった。

そして
万が一転職する場合
僕に管理職経験者という箔がつく。

自分の商品価値を高められる。

そんな打算も少し働いた。


数日後
また幹部から電話があった。
 

「土曜日に校舎に行くから
 一緒に善後策を考えよう。
 君の不安を取り除きたい・・・」

 

幹部が校舎に来るのは迷惑。
  
  ・・・色々と気を遣うからね。


でも
この時は響いてしまった。

通常あれば
管理職になる前に研修を受ける。

それなしで
僕は責任者に祭り上げられるのだ。

どんな業務があるのか分からずに。

上司の仕事は隣でずっと見てきた。

でも
見るのとやるのが
違うことくらい分かっている。

それが僕が責任者になるのを
躊躇していた大きな理由だった。

幹部はそこを上手く突いてきた。

(僕のために幹部が
 この小さな校舎に来てくれるかのか)


翌日
僕は責任者を引き受ける旨
会社に報告した。


金曜日。

  ・・・・あの幹部から電話が。  
  

ヤラレタ・・・

幹部の方が一枚上だった。

やっぱ
会社ってそんなものだよね・・・

こんな小さな校舎なんて
ポストが埋まればそれでいいんだ。

形さえ整えば
あとは野となれ山となれ
なんだよな・・・


少しでも
会社を信じた僕がバカだった・・・

作:帰ってきた兼好法師 
Twitter:@Kenkohoshi_R

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