
中学受験はわが子のため?
それとも親のエゴ?
わが子を幸せにするために
中学受験をスタートしたはずです。
それがどんなに厳しい道のりであるか
頭では分かっていたでしょう。
いざ
中学受験の世界に飛び込んでみると
その苛酷さは想像以上だったと思います。
もし中学受験を決意する前に
時を戻せたら・・・
そんな思いに
囚われるかもしれません。
子どもは思うように
勉強してくれないでしょう。
塾は期待していた程
面倒を見てくれないでしょう。
何で自分だけが
苦しまなければならないのか?
いや、もしかしたら
私がわが子を
苦しめているのかもしれない。
そんな
葛藤に苦しむ保護者が
多いのではないでしょうか?
中学受験させられた!
僕の意思とは関係なく…
僕は3人兄弟の長男です。
なぜか僕だけが中学受験したのです。
見事に失敗し
公立中に進学しました。
自分に苦しみを与えた
親を恨みました。
皮肉なことに
僕は塾講師になってしまったのです。
そこで
初めて気が付いたのです。
当時の親の気持ちが。
そして
中学受験をさせてくれたことに
感謝できるようになったのです。
そんな記憶を紹介したいと思います。
なぜ僕は中学受験から
逃げ出せなかったのか?
家の外には
黒塗りのハイヤーが
父を待っていたのです。

それにもかかわらず
僕は
何度も同じ問題を
父に質問しました。
「もうやめさせろ!!!」
吐き捨てるように母に言ったのです。
塾をやめる・・・
それは僕にとっては
待ちに待った瞬間のはずだったのです。
でも、なぜでしょうか?
悲しかったのです。
見捨てられたような気がしたのです。

公園でリードを
外されている犬を見ます。
なぜキミは
全力で逃げ出さないの?
時々そう思ってしまうのです。
キミも小6の僕と同じだね。
保護者がいなければ
生きていけなんだよね・・・
保護者の望む通りにしか
生きられないんだよね・・・
もちろん
父の怒りに任せた一言で
僕の中学受験が
終了するわけがありません。
どうしても
勉強をする気にはなれませんでした。
母が買い物に行くと
1階に降りてTVを見ているのです。
母の自転車が
庭に戻ってきた音がする!
僕は慌てて2階にあがる。
自分の部屋から
ベランダに出て母に手を振るのです。
僕は勉強してました!
とアピールするのです。
でも
そんな姑息な手段が
母に通用するわけがありません。
「○○、ちょっと来なさい!」
その口調から
母が怒っているのが分かりました。
恐る恐る階段を降りると
母が鬼に見えてしまった、小6の僕

親ってなんて勝手なんだ・・・
僕が受験したいって
いつ言った?
絶対に言っていないよ!!!
でも
なぜか僕は塾に通っていたのです。
いつの間にか・・・
そして
自分の中で
第一志望校に合格した
未来予想図が描かれていたのです。
ロクに勉強もしていないのに。
友達から
スゴイねと言われている自分。
好きなあの子から
羨望の眼差しを向けられている自分。
そして
両親から褒められている自分。
でも
ふと思ってしまうのです。
弟達は塾に行かず楽しんでいる
僕が塾に行き始めた学年になっても。
僕は思った「実験台にされたんだ…」
中学受験の大変さを
僕を通して
僕の親は知ったのでしょう。
そして僕は
塾講師になってしまいました。
なんて
人生って皮肉なんだ・・・
でも
合格すれば感謝し
不合格になれば罵る。
そんな親たちの
むき出しの感情を目の当たりにしました。
母も思う「なんであんなに厳しくしたのだろう…」
僕にとっては
はるか彼方の世界である
芸能界。
そこで活躍する方が

と自分の子育てを
反省していました。
でも僕は言いたいんどえす!
それが当たり前なんです。
必死なんです。
親はわが子を幸せにしたいと
全力を尽くす!
時には冷静さを欠いたり
行き過ぎた行動をとったり
しまうかもしれません。
だって
わが子だもん・・・
スマートになんてできませんよ。
厳しくしてしまったのは
それはあなたが
その子の親だからです。
保護者からの「悲痛な叫び」を何度も聞いた!
この仕事に就くと
「子どもに辛く当たってしまった・・・」
泣きながら電話してくる親がいます。
これからは
塾の先生を利用して下さいね!
と諭すのです。
でも僕はこうも言います。
「そうしてしまうのは普通ですよ!」
だって
子どもが勉強していなかったら
ものすごく心配になるでしょう。
わが子に
辛い想いをさせたくないって
思うはずです。
言っちゃいけないって
分かっていても
言ってしまいますよね?
「勉強しなさい!!!」って
親になって
初めて親の気持ちが分かる
やがて
その子は大人になり
子育てをするようになります。
すると
分かってしまうのです。
当時の親の気持ちが!
その無限ループなんです。
僕は塾講師になって分かりました。
「僕は実験台ではなかった…」そう思えるようになった理由
僕を幸せにしようと
母は
必死で試行錯誤していたのです。

母よ!あなたは鬼ではなかった・・・

あなたは
鬼の仮面をつけていただけだった。
その仮面の下で泣いていたのだ・・・
昨今
鬼の仮面がとれなくなって
しまった人がいると聞きます。
でも
それは一握りの人たちだけだと
僕は信じています・・・
作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R
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