ゴミ屋敷を時々目にする。

別にTVで
取り上げる程のことでないと思うが・・・

つい見てしまう。

なぜだろう・・・?

現象???

夜。

部屋の照明がチカチカする。

たまにだけど・・・

電球を変えてみた。

でも、どうやら
それが根本的な原因ではなかった。


ある日のこと。

(何か、焦げ臭いな・・・)

部屋に僅かだが異臭が漂った。

これで照明器具自体が
故障していることを僕は受け入れた。

もっと早く気付くべきだった。

でも
これが壊れるとは思わなかったのだ。

買ってから
もう十年以上経っているのに・・・

Francfrancにて

僕は彼女と出逢った。

一目惚れだった。

店員さんに「彼女を下さい!」と言う。

「すいません。
 在庫がないのでお取り寄せに
 なりますがいかがされますか?」


僕は一刻も早く
彼女を同棲相手に会わせたかった。

そして、喜ぶ姿が見たかったのだ!

「展示品でいいんで下さい!」

想定???

シャンデリア電球の灯りは
同棲相手の部屋を優しく照らしていた。

でも、取り付けて見て分かった。

(長い・・・)

店頭の天井は高い。

だから
気がつかなかったのだ。

天井から照明器具をつなぐ
コードの長さを・・・

同棲相手が宅した

「うわ~~ キレイ!!!」

僕はこの笑顔が見たかったのだ。

「ゴメン
 ちょっとコードが長かったね・・・」

「こうすれば、いいのよ」

白いバラがついた
シュシュみたいので
そのコードを同棲相手が束ねた。

そのセンスに惚れた!!

はなくなったが・・・

残念ながら
同棲相手の愛は失われていた。

僕のわがままな理由で・・・

でも
この照明器具に対する
愛着は全くなくならなかった。


壊れるなんて・・・

考えたくもなかった。

でも、もう無理だ。

新しいのに替えるしかない。

着という言葉

愛が着いている・・・

なかなか面白い表現だ。

普段、モノに対する
愛着を自覚することはあまりない。

そのモノが失われようとする時
初めて気づくものなのかな??

その照明器具には
僕の愛がたくさんついていたのかな?


もちろん
全てのモノに対してそうは思えない。

それは限られている。

まさに限定品だ・・・


ゴミ屋敷の住人に対して思う。

モノに対する愛が溢れているなあ・・・

第一二二段

作:帰ってきた兼好法師 
Twitter:@Kenkohoshi_R