
元日
ある音に耳を澄ませる・・・
これが
わが家に来るのを知りたくて。

やってきた!

輪ゴムでまとめられた束が。
その中から
自分宛のものを探す
ワクワク感がたまらないのだ。
だから
配達のない1月2日は
少し寂しい・・・
誤解・・・
父に届く大量の年賀状。
年齢を重ねれば
もらえる年賀状の数が増えると
思っていた。
実際は・・・
社会に出たら
年賀状の枚数は激減!!!
だって
出す人がいなんだもん・・・
完封勝利を飾った年もあった。(T_T)
やはり
未来って分からないものですね。(笑)
プリントゴッコで
年賀状作成
わが家で
年賀状を作るのは僕の仕事だった。
その際
活躍したのがプリントゴッコ!
初期型は黄色、やがて黒に代わる。
若い人は知らないと思うけど。
仕組みは版画に近い。
版木にあたるものは
マスターと呼ばれ薄緑色の
シルクスクリーンみたいなものだった。
それに原稿を転写するのだ。
完成するまでの工程
プリントゴッコは
家庭用プリンターを
もう少し小さくしたサイズ感。
どのように
年賀状が印刷されるのか説明します!
まず
蓋を開け原稿台に原稿をセット。
蓋の裏側にマスターをセットする。
蓋は平面ではない
シルエットでいうと
蓋の中央部に豆腐一丁が乗っている感じ。
う~~~ん
豆腐が入っている容器の方がいいかな?
その容器の中に
2つのランプを設置するのだ。
このランプの直下は
アクリル板になっている。
ランプの光が原稿台に届く仕組み。
圧力を
かけながら蓋を閉めると

閃光が走る。
焦げたにおいがあたりに漂う。
これが製版作業にあたる。
ランプは
ひび割れその一生を終える。
かなりの熱を持っているので
すぐにそれに触れてはいけない!
このランプは一回しか使えないのだ。
だから
毎年購入しなければならない。
マスターもそうだ。
年末になると
どのスーパーでも
プリントゴッコの消耗品が売られ始める。
♪プッププ ププ プリントゴッコ!
と所ジョージさんが
売り場にあるTVの中で歌っている!
年の瀬であることを実感する風景だ。
再現性の低い年賀状
同じように仕上がらない。
これが難点だった。
特に初期型は・・・
例えば
こんな図柄を
プリントゴッコで刷ろうとすると

製版された
マスターの上にインクをのせる。
赤の部分とグレーの部分に分けてね。
そのマスターを
蓋の裏の部分にセットし
年賀状1枚を原稿台に置く。
圧力をかけながら
蓋を下におろして印刷。
これを
1枚ずつ繰り返す。
しかし
何度も圧力をかけているうちに
赤の部分がはみだしてくるのだ。
だから
1枚1枚の仕上がりが微妙に違うのだ。
なんかモヤモヤした・・・
パソコンで年賀状作成
インクジェット用紙の年賀状。
そこに初めて印刷した時の驚き。
何枚刷っても完璧な出来栄え。
・・・でも
これじゃ業者に頼んだのと同じだ!
あの無機質な感じ・・・・
プリントゴッコって
温かみがあったのかな???
正月の静けさ
失われたと思うものと言えば
正月の静けさかな・・・
昔の正月は
街がもっと静かだったような気がする。
三が日はお店は休み。
それが当たり前だった。
確かに少し不便だったけど。
お正月はそういうもんだ
とみんな思っていた。
それが今は
元日に休業することがニュースになる!
なんで・・・
そんなの当たり前なことなのに。
いつから
こんなふうになったんだろう・・・
でも
元日営業に慣れてしまっている
自分もいるんだ。
なんで休みなの・・・この時世で
と思うこともある。
僕はわがままな人間です。
正月の遊び
正月らしい遊びも見なくなった。
例えば、これ

ぜんぜん
上手く揚げられなかったけど。
父は上手だった。
あまりに
高く揚げすぎて糸が切れたくらい。
道路では、これをしている

家の中では
こんなことを家族でしていたなあ。

『懐かしい』という感情
それは
失われたからこそ感じるもの。
でも
なくしたものを取り戻したい!
そんな強い感情ではないのです。
昔は良かったなあ~~~
そう時々思い出すくらい。
ということは
懐かしく感じるものは
別になくてもいいものなのかな?
そんなふうに考えてしまう・・・
第五一段
作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R