図書館で彼と勉強

その帰り道。

「映画でも見ようか?」

「何見る?」

「テルマエ・ロマエ」

「それ、わたしも見たかったんだ!」
 


そんな日々があったことが

今となっては懐かしいのです。 

彼女はおさんと
テルマエ・ロマエを見た!

「全然、面白くなかったんだんよ」
 
「あなたと見た時は
 めちゃくちゃ笑えたのにね・・・
          なんかヘンだね」

「ふ~~~ん、  そうなんだ」
 
僕は無愛想にそう答えました。


でも
嬉しかったのです。飛び上がるほど!

それは
僕と見たから面白く感じたのだ!

そう勝手に結論付けました。

二回目だからという可能性は全否定!

誰と見るか
その映画の感想が変わる場合がある。


そんな気がするのです。 

画(DVD)を使って
僕に気があるか確認する!


モテない僕が言っても
全然説得力がありませんが・・・

「DVDでこの映画見たんだけどさ
 結構良かったよ!」


さりげなく
意中の女性にそう言ってみる。

その彼女がすぐに
それを見て感想を言ってきたら脈アリ。

だって
僕が好きな映画に興味がある。

ということは
僕のことが気になっている!

でも
サンプル数が
少ないから信憑性ありませんね。 

吉本喜劇で
僕はしみに暮れた・・・


彼女は転職しました。

新しい仲間ができます。

彼女は
同僚へ家に
みんなで遊びに行ったのです。

正直
男性が多いのが気になりました。

まだ
僕に見せてない新しい洋服を
着ていったことにも

モヤっとしてしまいました。


「そこで見た吉本新喜劇が
  めちゃくちゃ面白くてさあ」


そう嬉しそうに
彼女は報告してきたのです。

僕はMXTVで
やっていた吉本新喜劇を
録画して彼女に見せました。

全然
笑ってくれませんでした。

理由は分かっていたのです。

芸人さんのせいではない・・・
 


なんか寂しかった。

以前からうすうす感じていた
僕に対する愛の低減を・・・

突き付けられた気がしたのです。 

共感が減っていく
いのツボも合わない・・・


以前ならば
その映画がつまんなくても

感想を言い合いました。

でも

いつのまにか・・・

見終わっても
それに関する会話がなくなりました。

お笑い番組を見ていても
僕だけが笑っているのです。

笑いのツボが合わなくなる。

これが
破局の大きな前兆であると
僕は考えています。

作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R

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