
希望に満ち溢れた
二つの笑顔が僕を見つめる。
恥ずかしいそうに
志望校を言う少女がいる。
隣で微笑む母親がいる。
(かなり厳しいなあ・・・)
「志望校合格に
近づけるように一緒に頑張ろうね!」
でも・・・
いつもこう言いたくなる
(先ほどの事務のものが申した通り
クーリングオフができるんですよ!)
(これから、あなた方を
待っているのは地獄の日々ですよ!)
(お子さんは
宿題なかなかやりませんよ!)
(お母さん!結局あなたが
勉強教えることになるんですよ!)
(本当に、本当に
それでもいいんですか・・・)
でも、そんな心配より
一人の生徒を入塾させた
安堵の方が勝ってしまうのだ。
営業テクニック

不動産屋の営業テクで
その物件の欠陥ばかり言っていたら
契約件数が劇的に増えた・・・
そんな情報をTVで見た。
よし! やってみよう。
無料模試の
カウンセリングという名の入塾勧誘。
僕はそこで実践した。
「いいですですか?お母さん!
中学受験は親子の共同作業なんです」
「お子さんは宿題やりませんよ!」
「お母さんはそれをやらせるのに
毎日毎日悪戦苦闘するんですよ!」
「小学生の時ではなく
中学生になってから
成績が急上昇する生徒もいます!」
「なので小学生から
本格的に勉強するのがいいか
分からないですよね~~~~」
その母親は
興味深く僕の話を聴いてくれた。
(手応えアリ!)
後日、意気揚々と
その保護者に電話する。
「先生
先日は本当にありがとうございました」
「慌てて中学受験する必要ないなと
冷静に判断することができました」

見事に撃沈・・・
(そら、そうだよな・・・)
あれだけ
デメリットを連発されたら・・・
(でも、それで良かったのかな)
何かいいことをした気分になったのだ。
タイムマシーンがあるのなら
多分
中学受験が大変であることは
多くの人が何となく知っているはずだ。
SNSではそんな声が満ち溢れている。
でも
それはあくまで伝聞情報なのだ。
実際に経験して見て分かるんだ。
地獄の世界に
足を踏み入れてしまったことを・・・
もちろん
苦悩が少ないご家庭もある。
でも
それはほんの一握りだ。
「『勉強しなさい!』
そんなこと言ったことがありません」
確かにそういう保護者はいる。
でも
僕からすれば天然記念物レベル。

「時を戻そう・・・」
そんなことができるのならば
中学受験をしないという決断した。
そんな保護者が
一体どのくらいいるのだろうか?
作:帰ってきた兼好法師
Twitter:@Kenkohoshi_R
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